交番

 仕事でちょっと外出。歩道に落ちていた財布を拾う。誰かがスリとったお財布を捨てていたらイヤだなと拾うことを一瞬迷う。けれど拾いあげて中身をみる。現金に加えて今日が使い始めの3ヶ月定期券。年齢15才の男性が持ち主とわかる。きっと落ち込んでいるだろうな。お母さんに怒られているかもしれないな。
 図書館の利用カードが入っていたので職場のすぐ近くにある図書館に行ってみるが、月曜日で休館日。交番の場所はわからないし、駅まではちと遠い。職場にもどって警察に電話をする。まだ届け出はでていないとのこと。結局、帰りでいいので交番に届けてほしいと言われる。駅の近くにありますから・・・と。
 仕事を終えて交番へ。巡査部長さんが対応して下さる。書類を作成。名前がわかるので持ち主が現れるでしょうと言われる。なので権利を放棄する。放棄すると持ち主が現れない場合には国庫へお金は入金されると説明される。けれどお礼をだされたら受け取ることになりそうなので放棄をする。この辺の説明は時間もなかったので聴かなかった。
 結局、30分近くもかかってしまった。ずっと立ちっぱなし。交番って椅子の一つもすすめてくれないのね・・・と、その対応の方が気になってしまった。単に疲れていて座りたかっただけなのだけどね。
 高校時代、渋谷に映画を見に行って定期券を落としたことがある。男子高校生が拾って届けてくれた。お礼の電話をしたら、その方のお母様が出られ「ウチも同じ事があったのですよ。ですから同じ事をしただけですから」って言われた。今回、私もそんなつもりで拾って届けただけなのである。