しどろもどろ

 帰りの京葉線外房線直通のちょっと混んだ電車に乗り込んだ。入り口近くにいた外国人が、ここがすいていて鉄棒をつかめると手招いてくれる。途中、少し空いてくる。かばんの中から本を取り出す。日本の古本屋サイトで入手した「反精神医学」の38ページをひらいて読み始める。すると上の方から「サイコロジーの本か?」と英語で声がする。顔をあげると手招きしてくれた人が笑っている。「え、えーと」と本の表紙を見せる。「病院で働いているのか?」と質問が続く。「勤めていたことがある」と私。それから、少し話がはじまる。と言っても急な展開に頭の中に英語は浮かばない。ドイツからやってきた方で、ワークショップをしているらしい。日本の大学には定期的にきているとか言っていた。研究しているのは「間(ま)」だと言う。そして、本の話をしたりする。しどろもどろの英会話を下車駅までの約10分強。長かった〜。
 お互い電車の中では名乗った。そして家に帰ってから、今度のワークショップはここで・・・と話していたことをネットで検索してみる。そうか・・・ユング派のセラピストだったのか。
 そして、ふたたび英語を勉強しておけば良かったとの後悔と、やるぞ〜の単純さである。