読書記録−その23

ふたたび図書館でかりて渡辺一枝さんの本をよみました。チベットでの旅の体験を書いているのですが、よくある旅日記、ルポとはちがうと思います。先日読んだ「ハルビン回帰行」もそうだったのですが、現地の生活にはいり込んでいるのです。そして、そこで見たり感じたことを細やかな観察、感性のもとに書かれていると感じます。

わたしのチベット紀行

わたしのチベット紀行

チベットというとダライ・ラマだとか、高地、秘境なんてことを単純に私は連想してしまいますが、電気も通っていれば、テレビもカラオケもビリヤードもある生活です。この本の中で特に興味深かったのはチベット医の診察をうけるところです。私が精神医療とかかわりのある生活をしているからでしょう。けれど「心の怒りを鎮めて、平安を保ちなさい」「状態に立ち向かおうとしないで、心を変化させてごらんなさい」という二人のチベット医の言葉は私の心にもひびいてきました。